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ベガヒストリー ~皐月賞への思い
1993年の桜花賞、優駿牝馬(オークス)の牝馬クラシック二冠を制した競走馬であり、歴史に残る名牝の一頭ベガ。牝馬三冠がかかったエリザベス女王杯は、優駿牝馬以来約5ヶ月間ぶり出走のせいか、伸びきれずホクトベガの3着に敗れた。その際関西テレビの馬場鉄志アナウンサーによる「ベガはベガでもホクトベガです」との実況は、名フレーズの一つに数えられている。
社台ファーム期待の血統ではあったが、生まれつき脚が曲がっていたため庭先取引の話はなかった。セリ市では「お代はいくらでもかまいません」の立て札が立てられたが、それでも買い手が付かなかった。仕方なく生産者の妻である吉田和子の所有馬としてデビューしたのだが、結果的に当初の予想をはるかに上回る好成績を残した。
繁殖牝馬入り後、初仔のアドマイヤベガのダービー制覇を皮切りにアドマイヤボス、アドマイヤドンなどの子供達を送り出すなどまさに日本競馬界屈指の名牝馬の地位を構築させた。

私はアドマイヤベガが大好きで、もっとも競馬にのめり込んでいた時代のダービー馬としてその末脚は今も心にいまでも残っている。
アドマイヤベガは1998年11月7日の新馬戦でデビューし1位に入線したが、斜行のため4着に降着となった。次走には未勝利戦ではなく、形の上で格上挑戦となる500万下特別のエリカ賞を選び、快勝。3戦目は、重賞のラジオたんぱ杯3歳ステークス(GIII)に出走し、これも優勝し2歳を終える。

1999年、3歳となったアドマイヤベガはクラシック戦線へ向かう。初戦は、皐月賞トライアルの弥生賞(GIII)に出走。ナリタトップロードに敗れるが、皐月賞(GI)の優先出走権を得る。皐月賞ではナリタトップロード・テイエムオペラオーとともに3強の1頭に数えられ、1番人気に推されるも6着に終わる。巻き返しを期した東京優駿(日本ダービー)に2番人気で出走し、優勝。競走馬の頂点に立ち休養に入る。

3歳秋初戦、菊花賞トライアルの京都新聞杯に出走し、優勝。しかしクラシック第3戦菊花賞(GI)は6着に敗れる。その後、左前脚の繋靭帯炎が発覚し引退した。

その後、早来町の社台スタリオンステーションで種牡馬となり、出し好成績を収めたが、その矢先に偶発性胃破裂の為死亡し天に召された。

2002年産
テイエムドラゴン (中山大障害(J-GI)、京都ハイジャンプ(J-GII)、阪神スプリングジャンプ(J-GII))
ストーミーカフェ (札幌2歳ステークス(GIII)、共同通信杯(GIII))
アドマイヤフジ (日経新春杯(GII))


今年、クイーンCを勝ち望む桜花賞を6番人気ながら勝ったキストゥヘヴンはこのアドマイヤベガの産駒である。
アドマイヤベガのセカンドヒストリーとして実はベガは双子であったと言われている。
しかし競争馬の双子が揃って、良積を残ることは不可能である為、人間によって出産前にに所謂『片方を潰す』という行為によってアドマイヤベガだけがこの世に生を受けたのである
もしもその片方がこの世に生を受けた場合、当然キストゥヘヴンもこの世に存在しなかった訳である訳であるから、今年の桜花賞の勝ち馬は違う馬になっていただろ。いわば歴史が変わっていた可能性もある。時に競馬は神様の悪戯の如きドラマチックな夢を展開する訳ではるが考え深い運命を感じたりもする。

4月16日、今年も皐月賞が開催される。
今年は粒揃いの精鋭18騎の決戦の火蓋が繰り広げられるるが、その中にベガの4仔のアドマイヤベガの全弟でもあるキャプテンベガも出走予定である。
天に召された一番人気に答えらなかった兄の弔いにキャプテンベガがどのようなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみである。 先週終わりキャプテンベガに無印を思っていた私であるが、ここへ来てベガから始まるヒストリーはひょっとして、世紀末のダービー制覇はほんのエピローグであって、21世紀初めに驚愕のエンディングが準備しているのではないかという気持ちにさえなる。とりあえず、 競馬を愛する人達によって皐月賞の歴史は更新され、我々は歴史の伝承者になりうることは間違いではない。

   ベガ ( 牝 1990 鹿毛 トニービン ) 4勝
      1着 - 桜花賞(G1)、優駿牝馬(G1)
      3着 - エリザベス女王杯(G1)
| | |-- アドマイヤベガ ( 牡 1996 鹿毛 サンデーサイレンス ) 4勝
| | | 1着 - 東京優駿(G1)、京都新聞杯(G2)、ラジオたんぱ杯3歳S(G3)
| | | 2着 - 報知杯弥生賞(G2)
| | |-- アドマイヤボス ( 牡 1997 青鹿毛 サンデーサイレンス ) 2勝
| | | 1着 - セントライト記念(G2)
| | | 3着 - 産経大阪杯(G2)
| | |-- アドマイヤドン ( 牡 1999 鹿毛 ティンバーカントリー ) 5勝、地方5勝
| | | 1着 - 朝日杯FS(G1)、フェブラリーS(G1)、JBCクラシック(G1)、JBCクラシック(G1)、マイルChS南部杯(G1)、JBCクラシック(G1)、帝王賞(G1)、エルムS(G3)
| | | 2着 - ジャパンカップダート(G1)、ジャパンカップダート(G1)、マイルChS南部杯(G1)
| 3着 - ジャパンカップダート(G1)
   `-- キャプテンベガ ( 牡 2003 黒鹿毛 サンデーサイレンス ) 2勝、中央現役
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by gaiya__SPW | 2006-04-11 19:45 | 競馬
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